アジサシ(鯵刺)まとめ

Terns and Noddies in Hawaiʻi

アジサシ(鯵刺)
左から、セグロアジサシ(エヴァエヴァ)、シロアジサシ(マヌオクー)、ヒメクロアジサシ(ノイオ)

ハワイには、クロアジサシ(ノイオ・コーハー)、ヒメクロアジサシ(ノイオ)、ハイイロアジサシ、シロアジサシ(マヌオクー)セグロアジサシ(エヴァエヴァ)、ナンヨウマミジロアジサシ(パーカラカラ)の6種のアジサシ類が在来種として生息する。そのうち、ヒメクロアジサシは、ハワイ固有亜種である。

他に、マミジロアジサシ、コアジサシ、アメリカコアジサシ、ハシブトアジサシ、オニアジサシ、ハシグロクロハラアジサシ、ハジロクロハラアジサシ、クロハラアジサシ、アジサシ、キョクアジサシ、オオアジサシ、サンドイッチアジサシ、ユウガアジサシの13種が、少数の渡り鳥あるいは迷鳥として確認されている。

ノイオ・コーハー(クロアジサシ)Noio kōhā (Brown Noddy)

本種については、ノイオ(ヒメクロアジサシ)のページに詳しく書いた。

ノイオ(ヒメクロアジサシ) Noio (Black Noddy)

ノイオ(ヒメクロアジサシ)

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ハワイの野鳥

ハイイロアジサシ Blue-gray Noddy

日本語名 ハイイロアジサシ(灰色鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Blue-gray Noddy、Blue Noddy、Gray Noddy、Blue-gray Ternlet、Necker Island Tern
学名 Anous ceruleus(旧:Procelsterna cerulea
分類 カモメ科(Laridae)クロアジサシ属(Anous)
その他 ハワイ在来種(indigenous)

小型のアジサシ。以前はハイイロアジサシ属(Procelsterna)という独立した属に分類されていたが、現在ではクロアジサシ属(Anous)に含まれる。

ハワイ、サモア、ツバルなどの太平洋の熱帯にすむ。ハワイでは、北西ハワイ諸島のいくつかの島と、ニイハウ島沖のカウラ島(Kaʻula Islet)という小島で営巣する。

全長28cm。体は青みを帯びた灰色で、下面は色がやや淡い。目の周りの一部は白色。くちばしと足は黒色で、水かきは黄色。尾は短い。

営巣地やその近くで通年過ごす。繁殖期は12月~4月。

マヌオクー(シロアジサシ) Manu-o-Kū (White Tern)

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エヴァエヴァ(セグロアジサシ) ʻEwaʻewa (Sooty Tern)

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パーカラカラ(ナンヨウマミジロアジサシ) Pākalakala (Gray-backed Tern)

日本語名 ナンヨウマミジロアジサシ(南洋眉白鯵刺)
ハワイ語名 Pākalakala
英語名 Gray-backed Tern、Spectacled Tern
学名 Onychoprion lunatus
分類 カモメ科(Laridae)
その他 ハワイ在来種(indigenous)

太平洋中央部の島々や北西ハワイ諸島に多く生息する。ハワイの主要な島々付近では、オアフ島沖のモクマヌ島(Mokumanu Islet)で少数が営巣する。そのため、近くにあるハーロナ潮吹き穴(Hālona Blowhole)あたりを飛ぶ姿が目撃されることがある。

全長38cm。エヴァエヴァ(セグロアジサシ)に似ているが、背中、翼、尾は灰色。白い眉斑が目の後ろまである点もエヴァエヴァと異なる。下面は白色。頭、くちばし、足は黒色。尾は長い燕尾。

飛翔は軽やかで、エヴァエヴァよりも優雅に飛ぶ。空中から海に飛び込んで魚やイカを捕まえて食べる。

マミジロアジサシ Bridled Tern

日本語名 マミジロアジサシ(眉白鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Bridled Tern
学名 Onychoprion anaethetus
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

全長38cm。パーカラカラ(ナンヨウマミジロアジサシ)によく似ているが、本種の背中はパーカラカラと比べるとより濃い茶色。

ハワイでは数回観察された記録があるそうだが、パーカラカラの誤認である可能性もあるという。

コアジサシ Little Tern

日本語名 コアジサシ(子鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Little Tern
学名 Sternula albifrons
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

小型の白いアジサシ。全長23cm。アメリカコアジサシとともに、アジサシ類のなかではもっとも小さい。北西ハワイ諸島に数回飛来した記録がある。

アメリカコアジサシ Least Tern

日本語名 アメリカコアジサシ
ハワイ語名
英語名 Least Tern
学名 Sternula antillarum
分類 カモメ科(Laridae)
その他 渡り鳥(visitor)

小型の白いアジサシ。全長23cm。コアジサシともに、アジサシ類のなかではもっとも小さい。ハワイには稀に飛来する。

ハシブトアジサシ Gull-billed Tern

日本語名 ハシブトアジサシ(嘴太鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Gull-billed Tern
学名 Gelochelidon nilotica
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

南北アメリカ、ユーラシア、アフリカ、オーストラリアなどの広い地域で繁殖する。全長33~43cm。カモメのような太いくちばしを持つアジサシ。

1988年の1月から6月にかけて、同一個体と思われる1羽の迷鳥がオアフ島(1月11日と3月2日)、モロカイ島(4月26日)、そしてマウイ島(6月5と6日)で目撃された記録がある。

オニアジサシ Caspian Tern

日本語名 オニアジサシ(鬼鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Caspian Tern
学名 Hydroprogne caspia
分類 カモメ科(Laridae)
その他 渡り鳥(visitor)

大型の白いアジサシ。ほぼ世界中に分布するが、太平洋の熱帯地域には少ない。北アメリカの太平洋側では生息数を増やしており、それに伴ってハワイへの飛来も増えている。オアフ島とマウイ島での飛来記録が多い。

全長53cm。アジサシ類でもっとも大型。頭頂から首の後ろにかけて黒色。太いくちばしは濃い赤色で、先端部分は茶色。首は太い。尾は凹尾。足は黒色。未成鳥の足は赤い。

ハシグロクロハラアジサシ Black Tern

日本語名 ハシグロクロハラアジサシ(嘴黒黒腹鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Black Tern
学名 Chlidonias niger
分類 カモメ科(Laridae)クロハラアジサシ属(Chlidonias)
その他 迷鳥(vagrant)

北アメリカで繁殖し、南アメリカで越冬する。ハワイには迷鳥として稀に飛来する。

ハジロクロハラアジサシ White-winged Tern

日本語名 ハジロクロハラアジサシ(羽白黒腹鯵刺)
ハワイ語名
英語名 White-winged Tern
学名 Chlidonias leucopterus
分類 カモメ科(Laridae)クロハラアジサシ属(Chlidonias)
その他 迷鳥(vagrant)

ユーラシアで繁殖し、南半球で越冬する小型のアジサシ。全長24cm。2012年にモロカイ島に1羽飛来した記録がある。

クロハラアジサシ Whiskered Tern

日本語名 クロハラアジサシ(黒腹鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Whiskered Tern
学名 Chlidonias hybrida
分類 カモメ科(Laridae)クロハラアジサシ属(Chlidonias)
その他 迷鳥(vagrant)

同一個体と思われる1羽のクロハラアジサシが、2013年に北西ハワイ諸島のミッドウェー島(Midway Atoll)とクレ環礁(Kure Atoll)に飛来した記録がある。

アジサシ Common Tern

日本語名 アジサシ(鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Common Tern
学名 Sterna hirundo
分類 カモメ科(Laridae)アジサシ属(Sterna)
その他 渡り鳥(visitor)

中型のアジサシ。北半球で繁殖し、南半球で越冬する。ハワイには稀に飛来する。ハワイに飛来する個体のほとんどは冬羽の未成鳥。

キョクアジサシ Arctic Tern

日本語名 キョクアジサシ(極鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Arctic Tern
学名 Sterna paradisaea
分類 カモメ科(Laridae)アジサシ属(Sterna)
その他 渡り鳥(visitor)

鳥類のなかで最も長い距離を渡ることで知られる中型のアジサシ。北極圏で繁殖し、南極大陸付近で越冬する。少数が渡りの途中でハワイ諸島周辺を通るが、上陸することはない。全長39cm。

オオアジサシ Great Crested Tern

日本語名 オオアジサシ(大鯵刺)
ハワイ語名
英語名 Great Crested Tern
学名 Thalasseus bergii
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

インド洋と太平洋南西部の熱帯に生息する大型のアジサシ。ハワイでは過去に数回だけ目撃された記録がある。全長46cm。

サンドイッチアジサシ Sandwich Tern

日本語名 サンドイッチアジサシ
ハワイ語名
英語名 Sandwich Tern
学名 Thalasseus sandvicensis
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

南北アメリカやユーラシア大陸に生息する中型のアジサシ。ハワイでは1992年1月にオアフ島で目撃されたことがある。2006年12月には、マウイ島でサンドイッチアジサシらしき個体の写真が撮影されたが、種の識別は確定されなかったという。

ユウガアジサシ Elegant Tern

日本語名 ユウガアジサシ
ハワイ語名
英語名 Elegant Tern
学名 Thalasseus elegans
分類 カモメ科(Laridae)
その他 迷鳥(vagrant)

アメリカ大陸西海岸に生息する。2012年4月にハワイ島のアイマカパー池(ʻAimakapā Pond)で1羽が観察および撮影された記録がある。

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