アカハラシキチョウ

White-rumped Shama (Copsychus malabaricus)

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マレーシアからハワイに持ち込まれた、美しい鳴き声で知られる鳥。フイ・マヌ(Hui Manu)という愛鳥団体によって移入され、1931年にカウアイ島に、さらに1940年にオアフ島に放された。

日本語名 アカハラシキチョウ
ハワイ語名
英語名 White-rumped Shama、Shama Thrush
学名 Copsychus malabaricus
分類 ヒタキ科(Muscicapidae)
その他 外来種(alien)

分布

A

南アジアおよび東南アジア原産。ハワイでは、外来種としてカウアイ島、オアフ島、モロカイ島、ラーナイ島に生息する。カウアイ島では、コーケエ州立公園(Kōkeʻe State Park)などの在来植物の森にも生息している。マウイ島でも目撃されているが、繁殖しているかどうかは不明。

形態

全長25cm。オスとメスは体の色がやや異なる。オスは光沢のある青みを帯びた黒色で、腹部は明るい栗色。メスはオスより若干淡い色合いで、腹部は黄色っぽく、尾がオスよりも短い。オスもメスもくちばしは黒色で、足はピンク色。腰は白色。尾は黒色、外側の尾羽は白色。ハワイにすむ鳴禽類のなかでは最も長い尾を持つ。腰と尾羽の外側が白い鳥は、ハワイでは本種しかおらず、飛び去るときによく目立つ。

未成鳥は上面が灰色、胸に斑紋があり、尾が短い。未成鳥は尾を立てることが多く、エレパイオと間違いやすい。エレパイオは体がもっと小さく、尾の先端部分だけが白い。

鳴き声

さえずりはメロディアスでバラエティに富んでおり、透き通ったたいへん美しい声である。特に明け方と夕暮れ時によく鳴く。地鳴きは鋭い「チッチッチ」。他の在来種や外来種の野鳥の鳴き真似をすることも多い。特にガビチョウとは、互いに鳴き真似をし合うことで知られる。

生態

標高が低い、植物がおい茂ったみずみずしい森を好むが、コア・ハオレの林にも生息する。 虫や果実を主に地上で食べる。オスは縄張り意識が強い。森にすむ鳥にしては人に慣れることも多く、かなり近づいても逃げない場合もあるし、気がついたらすぐ近くにいたなんていうことも珍しくない。

まれに住宅街でも見られる。庭を掃いたり芝を刈ったりすると近づいて来て、芝生から追い出された虫を食べる。筆者はフォスター植物園(Foster Botanical Garden)、ホノルル動物園(Honolulu Zoo)、カピオラニ・コミュニティ・カレッジ(Kapiʻolani Community College)、マウナラニ・ハイツ(Maunalani Heights)などで見たことがある。

木の空洞、つる植物の茎、灌木などの巣を作る。巣の高さは地上から2~4.5m。民家の外に置いてあった靴や、軒下に吊るしてあった財布の中に巣を作った例もあるという。淡黄色に茶色の模様が入った卵を2〜5個産む。抱卵とヒナへの給餌は、オスもメスも行う。

森のスター歌手

美しい歌声で、道ゆく人を癒してくれるアカハラシキチョウ。ホノルル市内でも、すこし森に入ればすぐに彼らの歌声が迎えてくれる。森の中では姿を見ることよりも声を耳にすることのほうが多い鳥である。ハワイの鳥の中で鳴き声が最も美しいのは本種だという人が多い。

カイムキー(Kaimukī)の拙宅の庭にあるマンゴーの木にもたまにやってきて、その大きな歌声によって起こされることがある。

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