ブンチョウ(文鳥)

Java Sparrow (Padda oryzivora)

ブンチョウ(Padda oryzivora)

愛玩鳥として世界的に知られている小鳥。その人気のために、原産地のインドネシアでは大量捕獲によって生息数が推定1万羽以下にまで激減してしまい、絶滅の恐れがあるという。

日本語名 ブンチョウ(文鳥)
ハワイ語名
英語名 Java Sparrow
学名 Padda oryzivora
分類 カエデチョウ科(Estrildidae)
その他 外来種(alien)

分布

A

英語名のJava Sparrow(ジャワ島のスズメ)の通り、原産地はインドネシア。ジャワ島とバリ島に自然分布する。ハワイには1867年に最初に持ち込まれ、その後1960年代にも再び移入された。オアフ島の開けた場所に多く生息し、数は増え続けている。近年ではカウアイ島のプリンスビル(Priceville)、マウイ島、ハワイ島のコナ(Kona)やヒロ(Hilo)などにも生息している。ハワイの他にもマレー半島、ボルネオ島、フィジー、アメリカ本土、アフリカ、中国、日本などに移入され、定着している。

形態

全長15cm。オスとメスは同じ色。上面は青みを帯びた灰色で、腹は淡いピンク色。頭、風切、尾は黒い。太いくちばしと囲眼輪は明るいピンク色。白い頬はよく目立つ。未成鳥は鈍い灰色で、くちばしは暗い色、白い頬はあまり目立たない。

鳴き声

さえずりは柔らかい声。地鳴きは硬い声の「ピッ、ピッ、ピッ」。

生態

大きな群れをつくり、地面で草の種や虫を食べる。とまり木や餌場では気が荒い。都市部に多いが、森にも生息する。草でできた半球形または球形の巣を、木の空洞部、ヤシの木、建物の軒下などに作り、4〜6個の白い卵を産む。ハワイでは繁殖は通年行われているようである。オスはメスの隣にとまり、まるで腕立て伏せをするようにリズミカルに上下に動いて求愛する。

愛玩鳥としてのブンチョウ

日本には江戸自体初期に中国から持ち込まれたと言われていて、ペットとして人気があり、飼育下でいくつかの品種が作られている。野生の個体と同じ灰色のものは「ナミブンチョウ(並文鳥)」、全身が白いものは「ハクブンチョウ(白文鳥)」と呼ばれ、この両者を掛け合わせた「サクラブンチョウ(桜文鳥)」もある。また、銀色のシルバーブンチョウ、淡い褐色のシナモンブンチョウ、淡い黄色のクリームブンチョウなどのヨーロッパ産の品種もある。

餌台の鳥

ハワイでは、民家の庭木などに設置される餌台に多く集まり、数で他種の鳥たちを圧倒することが多い。ホノルルの拙宅の近所にあるプルメリアには、2台の餌台が設置されている。朝、筆者が通勤する時刻には、餌台に本種をはじめチョウショウバトコウカンチョウ、ときにはホンセイインコなど、たくさんの鳥が集まって食餌している。そのなかで最も数が多いのはやはり本種で、餌台周りの木、家の屋根、電線、地面などに、30羽以上が集まっている。

その他

小種名のoryzivoraは、「米を食べる」という意味のラテン語。地域によっては、大群で田んぼにやってきてイネを食べる害鳥とされている。

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