ウーリリ(メリケンキアシシギ)

ʻŪlili (Tringa incana)

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コーレア(ムナグロ)フナカイ(ミユビシギ)アケケケ(キョウジョシギ)とともに、ハワイで一般的にみられる渡り鳥(冬鳥)。

日本語名 メリケンキアシシギ
ハワイ語名 ʻŪlili
英語名 Wandering Tattler
学名 Tringa incana
分類 シギ科(Scolopacidae)
その他 渡り鳥(visitor)

分布

V

アラスカやカナダのユーコン準州で繁殖し、南カリフォルニア、ペルー、ガラパゴス諸島、トゥアモトゥ諸島、サモア諸島、ニュージーランド、オーストラリアなどへ渡る。英語名のWandering Tattler(彷徨うキアシシギ)が示す通り、渡りの範囲は大変広い。日本でも本州、伊豆諸島、小笠原諸島などにまれに飛来する。

ハワイでは主要6島に飛来し、ビーチ、池や沼、岩の多い海岸や河原などで見られるが、数は多くない*。フナカイやアケケケと同じ場所にいることもある【写真1】。コーレアと違って、海から離れた野原や高地などにいることはあまりない。

*2002年の調査では、ハワイで越冬する個体数は1,000羽程度だったそうだ。

ワイキキの山側の端に沿って流れるアラワイ運河沿いや、アラモアナ・ビーチパークなどでもたまに見ることができる。ワイキキやアラモアナなどのハワイ観光の中心地で目にすることができる鳥のほとんどは外来種だが、本種は数少ない例外のひとつ。

フナカイ(ミユビシギ)とウーリリ(メリケンキアシシギ)
【写真1】ビーチで2羽のフナカイ(ミユビシギ)と一緒に餌を探すウーリリ

形態

全長28cm。冬羽は上面が濃い灰色、下面は淡い灰色。夏羽は下面に縞模様がある。濃い灰色の過眼線、明るい灰色の眉班がある。黒いくちばしはまっすぐで細長い。足は短く、日本語名のとおり黄色。飛翔時に翼や尾に模様はない。種小名のincanaは、灰色という意味のラテン語。

鳴き声

飛び去る時に、細く澄んだ音で「トゥリッリッリッリッリッ」という6〜10声を繰り返す。ハワイ語名はこの鳴き声に由来する。竹で作られた伝統的なハワイの笛でウーリリと呼ばれるものがある。この笛の音色がウーリリの鳴き声に似ていることに由来しているといわれている。

生態

8月までにアラスカやカナダなどの繁殖地からハワイに飛来し、4月下旬から5月上旬までには繁殖地へ旅立ってゆく。繁殖せずにハワイで夏を越す個体もいる。単独でいることが多いが、まれにペアか小さな群れを作ることもある。長いくちばしで泥の中や岩の下を丹念に探り、餌となる軟体動物や無脊椎動物を捕る。カニや魚も食べる。繁殖地では山地の川沿いに営巣し、地面に4個の卵を産む。オスとメスが共同で24日間抱卵する。

ウーリリ・エー

『ウーリリ・エー(ʻŪlili Ē)』という題名の、ハワイアン音楽のスタンダード曲がある(作者不明)。ハワイの穏やかな浜辺を走るウーリリと、そのきれいな鳴き声を歌った軽快なリズムの曲だ。没後も “IZ” の通称でハワイでは絶大な人気がある歌手イズラエル・カマカヴィヴォオレ(Israel Kamakawiwoʻole、1959–1997)の有名なアルバムにも収録されているので、聴いたことがある人も多いと思う。

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