コア・ハオレ

Koa haole (Leucaena leucocephala)

コア・ハオレ(Leucaena leucocephala)

中南米原産の低木もしくは小高木。乾燥に強い。ハワイには、森林再生や牛の飼料にする目的で、グアムもしくはフィリピンから1830年頃に移入されたと考えられている。

日本語名
ハワイ語名 koa haole、ēkoa、lilikoa
英語名
学名 Leucaena leucocephala
分類 マメ科(Fabaceae)ギンゴウカン属(Leucaena)
その他 外来種(alien)

分布

A

原産地は中南米の新熱帯区。ハワイでは、外来種として主要6島すべてに生育する。標高0~350mの乾燥した地域に多い。場所によっては植生のなかで第一の主要な種である場合も多い。

特徴

普通は高さ9mくらいになるが、20m以上の高木に育った記録もあるという。葉は3〜8つのペアからなる羽状複葉で、鳥の羽を思わせる。小葉は細い卵形で、長さ6~19mm、幅1.5~5mm。花は淡い緑色もしくは白色で、耳かきの先についているフワフワの梵天(ぼんてん)を彷彿させる。豆果は長さ8~18cm、幅約2cm。

ギンゴウカン属

コア・ハオレが属するギンゴウカン属(Leucaena)は、約50種からなり、新熱帯区に分布する。属名は白色を意味するギリシア語のleukosから来ている。ギンゴウカン属に共通する白い花の色に由来する。

利用

薪や肥料の材料、土壌の質の向上や侵食の制御、コーヒーやカカオのプランテーションに木陰を作るためや、種子をネックレスにするなど、様々な利用目的のために世界各地に移入されている。それらが野生化したものが、ハワイの主要な島々やミッドウェー島を含めた熱帯から亜熱帯にかけての広い地域で生育している。

ニンニクのような味がする若い豆果を食べる地域もあるという。ハワイでは、種子を繋げてレイ、小さなカバン、マットなどが作られる。

タンパク質が豊富で、乾燥重量の約3割を占める。そのため家畜の飼料になるが、小葉のタンパク質中の5%にミモシン(mimosine)という、通常のタンパク質にはないアミノ酸を含み、これを馬や豚が大量に摂ると脱毛や脱蹄などの障害が現れる場合があるという。牛は、馬や豚よりはミモシンへの耐性があるが、それでも、飼料の半分に本種を6ヶ月間与え続けると、やはり脱毛や病気になる可能性があると言われている。

名前の由来

コア・ハオレは、「外来のコア」という意味。葉や花が固有種のコアに似ていることに由来する。今日のハワイでハオレ(haole)といえば、白色人種のことを指すため、「白いコア」という意味だと思われるかもしれないが、ハオレは本来、ハワイ人からみたすべての外国人や外来の動植物を指す言葉である。

ちなみにコアの葉は、三日月のような特徴的な形として認知されている。その三日月型の葉と比べると、コア・ハオレの葉は全く異なった形であることになる。しかし、コアの三日月型の葉は、厳密には葉柄が広がった偽葉である。コアの本当の葉身は、若い葉のときのみに見られ、こちらはコア・ハオレの葉にそっくりの羽状複葉である。

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