プルメリア

Plumeria (Plumeria L.)

プルメリア プルメリア(グローブ・ファーム) プルメリア(ドナルド・アンガス) プルメリア(ケイキ) プルメリア(マウイ・ビューティー) プルメリア(プラスティック・ピンク) プルメリア(Tillie Hughe's) プルメリア

ハイビスカスとともに、ハワイでもっとも有名な花。清楚かつふくよかで、うっとりするような甘い芳香があり、しかも丈夫で繋ぎやすいプルメリアの花は、当然、人気ナンバーワンのレイフラワーである。

日本語名
ハワイ語名 melia、pua melia
英語名 plumeria
学名 Plumeria L.
分類 キョウチクトウ科(Apocynaceae)インドソケイ属(Plumeria)
その他 外来種(alien)

分布

A

原産地はメキシコやグアテマラなどの熱帯アメリカ。ハワイでは、低地から標高1,000mまでの住宅街に広く植えられているが、野生化の記録はない。

特徴

樹高3〜8mの低木。7種の原種と多くの栽培品種やハイブリッドからなる。原産地で自然に生育するプルメリアは、栽培種ほどのたくさんの葉や花をつけることはないという。ハワイでは、気温が低い冬場は花も葉もつけず、鹿の角のような枝のみの姿になる。4月くらいから花が咲き始める。ただし、シンガポール・プルメリア(Singapore plumeria)と呼ばれるP. obtusaは例外で、通年花も葉もつける。シンガポール・プルメリアの葉は濃い緑での光沢があり、花はプルメリアとしては大きな白色で中央部が黄色い【写真1】。特にオアフ島で多くみられる。

シンガポール・プルメリア
【写真1】シンガポール・プルメリア

利用

香りの良いプルメリアのレイは、もっとも手軽に入手できるレイのひとつである。一重のシングルレイを作るためには、50〜70個の花が使われる。三重のトリプルレイには、約300個の花が必要である。枝振りの見栄えがよく、庭木としてもたいへん人気がある。また、古くから墓地に植える木としても知られている。生長は遅いが栽培しやすく、折った枝からでも育てられる。

花は、耳のうしろにつける花飾りとしても女性に好まれる。なお、プルメリアに限らず、花飾りを右耳につけるのはシングル、左耳につけるのは既婚者もしくは恋人ありのサインである。

彩り豊かな栽培品種とハイブリッド

『ドナルド・アンガス(Donald Angus)』、『グローブ・ファーム(Grove Farm)』、『レイ・レインボー(Lei Rainbow)』、『マウイ・ビューティー(Maui Beauty)』、『プラスティック・ピンク(Plastic Pink)』、『ケイキ(Keiki)』など、多くの種類がある【写真2】。それぞれ花の色も大きさも様々だ。近年はハワイ大学によって交配がコントロールされているが、多くのハイブリッドは自然交配から派生したものであるそうだ。

プルメリア レイ・レインボー
【写真2】レイ・レインボー

ウィリアム・ヒレブランド

プルメリア(ウィリアム・ヒレブランド)
【写真3】フォスター植物園に現存する、ヒレブランドによって1860年に植えられたプルメリア。

プルメリアは、ハワイを代表する花のため、ハワイ在来の植物だと思っている人が多いが、1860年に、ドイツ人医師ウィリアム・ヒレブランド(William Hillebrand、1821–1886)によって最初にハワイに持ち込まれた外来種である。

ヒレブランドは肺の病を患っていたため、暖かい気候の場所を探してオーストラリア、フィリピン、アメリカ本土などを旅したという。ハワイには1850年から1871年まで20年以上も滞在した。当時彼は、現在のフォスター植物園がある場所で暮らしていた。

ヒレブランドは植物学者としても知られ、ホノルルの自宅の庭には在来種も含めた数多くの植物を植えていたそうだ。彼によって1860年に植えられたプルメリアの木が、ホノルル市内のフォスター植物園(Foster Botanical Garden)に現存する【写真3】。

ココ・クレーター植物園のプルメリア園

オアフ島の東側、ハナウマ湾近くのココ・クレーター(Koko Crater)には、墳丘の頂まで登る人気のハイキングトレイルがあることで知られている。そのクレーターの窪みの内側には、ココ・クレーター植物園(Koko Crater Botanical Garden)という静かな植物園があり、サボテンなどの乾燥した土地に生育する植物をはじめ、世界からさまざまな植物が集められている。この植物園の見どころのひとつは、入り口付近にある広大なプルメリア園である。色とりどり、さまざまな種類のプルメリアを間近で鑑賞することができる。

朝から香りのおすそ分け

筆者の以前の同僚に、ハワイ育ちの若いローカル女性がいた。彼女はよく、プルメリアの花を出勤途中で摘んできて、オフィスのそれぞれの同僚の机上に一輪ずつ置いてくれた。朝から同僚たちに、プルメリアの香りをおすそ分けというわけ。じつに粋なはからいだった。

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